サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版 付録Eより抜粋
このページには、災害にあった人へ
どのような対応をしたらいいのか、反応や行動への理解の仕方
援助の方法をライフステージ別(※)で掲載しています。
当ホームページでは、資料の中のいくつかを抜粋して
随時掲載してまいります。
※乳幼児・就学前の子ども・小学生の子ども・思春期の子ども・大人
反応には、個人差がありますので、区分されたライフステージにかかわらず、
ご自身に必要な部分を切り取ってお役立てください。
また、例題中には海外に多い台風を例に対応の具体例が掲載されていますので
必要な箇所を変えてお役立てください。(こころルーム表参道)
思春期の子どもをもつ親への助言
【子どもの様子・・・その1】
無気力になっている
自分を責めている
自分を恥ずかしく思っている
(どのように対応するか)
安心できる雰囲気のなかで、出来事や感情について話せる時間をとってやりましょう。
このような感情はよく起こるものであることを、強調してください。実際のところ何ができたのか、
現実的な説明をして、過度の自責感を修正してください。
(対応の具体例)
「みんな、何もできなかったといって、自分に腹を立てたり、自分を責めたりしている。
若い人だけじゃなくて、大人もだ。君のせいじゃない。消防の人たちだって、あれ以上のことは
何もできなかったって、言ってたじゃないか」
【子どもの様子・・・その2】
まわりにどう見られているか、気にする
自分の恐怖心や気の弱さを気にする。
異常というレッテルをはられるのでは、と恐れる。
(どのように対応するか)
このような感情は特別なものではないことを、教えてください。
家族や仲間との関係を大切にするよう、伝えてください。回復期に入ったら家族や仲間との
関係は、大切な支えになってくれるでしょう。
(対応の具体例)
「私も、同じように感じていたんだ。怖かったし、自分は無力だって思ったよ。
災害が起こったときには、誰だってそんなふうに感じる。たとえ、冷静そうに見えていてもね」
「携帯電話がつながるようになったよ。ピートがどうしてるか、連絡してみたらどうかな?」
「妹とゲームしてくれて、ありがとう。彼女ずいぶん元気になったよ」
【子どもの様子・・・その3】
対人関係が、急激に変化する
親や家族、あるいは友達からさえも、距離をおこうとすることがあります。
いつもと違う親の様子に影響されているのかもしれません。
(どのように対応するか)
こういうときには、対人関係がぎくしゃくしやすいことを、説明してください。日常を取り戻していく
過程のなかで、家族や友達との関係が支えになってくれることを、強調しましょう。
家族の回復の進み方がそれぞれ違っていても、それに寛容でいられるよう、彼らを
励ましてください。
親の感情を、押しつけてはいけません。
(対応の具体例)
家族で、お互いの状況を伝えあう時間をつくりましょう。
「私たち、お互いにとげとげしくなってるけど、こういうときには当たり前のことなんじゃないかな。
私は、私たちはとてもうまくやってきたと思う。家族がいるってありがたいことだと思う」
「昨日の夜、弟が騒いでいたときに、あなたが落ち着いていてくれて助かったわ。
起こされちゃったでしょう?」
「昨日は、イライラしてごめんなさい。これからは、もっと冷静でいるように努力するからね」
【子どもの様子・・・その4】
早く大人になりたがる
退学したがる、結婚したがるなど。
(どのように対応するか)
大きな決断をするのは、もう少し待つように伝えてください。かれらが自分はうまくやれるんだという
感覚を得られるように、何か別の方法を探しましょう。
(対応の具体例)
「あなたが、家計を助けるために学校をやめて働こうと考えていること、知ってるよ。でも今は、
おおきな決断をしないほうがいい。危機的な時期というのは、大きな変化をするのにふさわしい
時期じゃないのよ」
※随時更新してまいります
「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き第2版」より抜粋
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リンク先[兵庫県こころのケアセンターさまHP]