サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版 付録Eより抜粋
恐ろしいことが起こったとき
〜こころやからだにあらわれる反応
【出来事の直後に現れる反応】
災害や事故にあった人は、その最中や直後に、さまざまな反応を体験します。
そのなかには、建設的な反応もあれば、苦しい反応もあります。
領域 | 苦しい反応 | 建設的な反応 |
---|---|---|
考え方 | 混乱する 状況をただしく理解できない 不安になる 勝手に考えやイメージが浮かぶ 自分を責める | 決断しやり抜く力 感覚が鋭敏になる 勇敢さ 楽天主義 信じる力 |
感情 | ショック・悲しみ・嘆き 寂しさ・恐怖・怒り イライラ・自分を責める 自分を恥じる・何も感じない | 充実感・やりがい・連帯感 |
対人面 | 極度に引きこもる 周りの人とうまくいかない | 社会的な連帯 人のために行動する |
からだ | 疲れる・頭痛・筋肉がこわばる 胃痛・心拍数が増加する 刺激に過敏になる 睡眠困難 | 機敏になる 反応がすばやくなる 気力が充実する |
【起こりやすい苦しい反応のうち、長引く可能性のあるもの】
◆辛い体験がよみがえる(再体験)◆
日中あるいは夢を見ているときに、できごとについての苦痛に満ちた考えやイメージがよみがえる
その体験を思い出すものに接すると、気持ち、あるいはからだが動揺する
その体験がもう一度起こっているかのように感じる(フラッシュバック)
◆似たような状況を避ける、人づきあいを避ける(回避とひきこもり)◆
そのできごとについて話したり、考えたり、感じたりすることを避ける
関係のある場所や人など、その出来事を思い出すものを避ける
喜怒哀楽を感じにくくなり、感覚がマヒする
他の人から孤立し、自分がひおりぼっちになったように感じる。周囲の人からひきこもる
通常なら楽しめる活動に対して、興味がわかなくなる
◆いつも緊張している(過覚醒)◆
たえず危険を「警戒」している。すぐ驚く。びくびくしている
いらいらし、怒りを爆発させる。「ピリピリ」している
眠れない。眠ってもすぐ目が覚める。集中や注意が続かない
◆トラウマや喪失など、辛い体験を思い出すものに対する反応◆
災害や事故を思い出す場所、人物、光景、音、臭い、感情に反応する
それらのきっかけが、苦痛に満ちたイメージ、考え、情緒的・身体的反応をひきおこす
よくあるきっかけの例:
突然の大きな騒音、サイレン、災害や事故が起こった場所、障害をもつ人を見かけること
葬儀、災害記念日、災害についてのテレビやラジオのニュース
「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き第2版」より抜粋
ダウンロード先はこちら
リンク先[兵庫県こころのケアセンターさまHP]