こころルーム表参道
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良き理解者を育てよう



思ったことを言った。
言いたいことを言った。
直接言った。

それなのに全然すっきりしない。

すっきりするどころが、わかりあえていない現状と
次から次へと出てくる相手と自分を傷つける言葉に押しつぶされそう。

悲しくて、腹が立って泣きたくなってきた。

こんなこといいたかったんじゃない。
イヤなことたくさん言ってしまった。
嫌われちゃったかもしれない。


最悪だ。
 
*
*

こんな風に感情的になって取り乱し
後味の悪い思いをした経験ありませんか?

大きなストレスを感じたり、大きな変化があったり。
または、日ごろ何かを我慢をしていたり、疲れがたまっていたり、
嫌なことや心配事、葛藤を抱えていると
こころが疲れた状態になります。

こころが疲れると、もともと持っている
ストレスを消化・発散する力が弱くなってきます。

すると、ものごとの捉え方、思考が
ネガティブな方向へ向きやすくなったり
考えがまとまりにくくなったり 、
憂鬱な気分、混乱した状態に陥ってしまいます。

そして不安や不満ばかりがあふれ、
コミュニケーションにも摩擦が生じやすくなってしまう…。

不安や不満がたまっている時のことを想像してみてください。

*

不安や不満を感じている時、
わたし達は何を求めているでしょう。

不安や不満が消えることを望んではいないでしょうか。
感じている辛さ、苦しさをわかってほしいと望んではいないでしょうか。

わたし達は、不安や不満が消えること、
気持ちを理解してもらえることで
こころが軽くなり、
安心感が生まれることを知っているのです。

安心感は、気持ちを落ち着かせ、
ものごとの捉え方、思考もポジティブな方向へ向きやすくしてくれます。
今回は、安心感を作り出す方法をお伝えしていきたいと思います。

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テーマは…『良き理解者を育てる』

『良き理解者を育てる』と聞くと
自分のことを理解してくれる人を育て上げるように聞こえるかもしれませんが、
ここでいう“良き理解者”というのは“わたし”。つまり、自分です。

「わかってほしい」という欲求を
自分で満たしていく力を育て、高めていく方法です。

その方法とは…?

自分自身を客観的に捉え、理解を示し、優しく包み込み
その理解と優しさにしっかり包まれるのです。

言葉(文字)にすると簡単ですが
実際に取り入れ、身に付くまでには少々時間がかかることもあります。

最初のうちは、
自分に理解を示し、優しく包み込むことが“甘え”のように感じ
理解を示そうとしても、優しく包み込もうとしても
つい、自分を戒めたり、責めたりしてしまうかもしれません。

でも大丈夫。
だんだんと身に付いていきます。

まず、自分自身を客観的に捉えてみる。
コツは自分のことと思わないこと。

好きな人や大切な人が自分とまったく同じ状況にいたら…
どんな言葉をかけてあげたい?どういう気持ちで接したい?
と想像してみましょう。

そうすることで自分との距離が取りやすく、
また、理解を示そうとする気持ち、優しさが芽生えやすくなります。

このように自分の中の『良き理解者』を育てていきます。

そして、次にその優しさを受け取ります。

理解してもらうこと、優しくされることに不慣れだと
すんなり受け取ることができずにはねのけてしまうこともありますが、
受け取り方もだんだんと上手になっていくので大丈夫です。

受け取りにくいようなら
「受け取ってもいいんだよ」とか「大丈夫だよ」「怖くないよ」「安心して」
「試しに受け取ってみようか?」というように
自分でしっくりくる受け取りやすい言葉をかけてあげると良いかもしれません。

こうやって自分の中の『良き理解者』と『それを受け取る私』の間で
両者が打ち解けるまでキャッチボール(会話)をしていきます。

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この自分の中でのキャッチボールがスムーズになると、
人とのコミュニケーションも心地よくスムーズなものへと変化していきます。

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『良き理解者』は辛い時、苦しいとき、悲しいときに
あなた自身を支えてくれます。


静かでゆったりとした時間と空間をみつけて
あなたの中の『良き理解者』を育てていきましょう。




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