こころルーム表参道
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サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版 付録Eより抜粋

このページには、災害にあった人へ
どのような対応をしたらいいのか、反応や行動への理解の仕方
援助の方法をライフステージ別(※)で掲載しています。
当ホームページでは、資料の中のいくつかを抜粋して
随時掲載してまいります。
※乳幼児・就学前の子ども・小学生の子ども・思春期の子ども・大人

反応には、個人差がありますので、区分されたライフステージにかかわらず、
ご自身に必要な部分を切り取ってお役立てください。
なお、直接被災していない場合であっても似たような反応が
起きる場合もございますので、上記同様、お読みになりお役立て
いただける部分を必要に応じてお役立てください。

また、例題中には海外に多い台風を例に対応の具体例が掲載されていますので
必要な箇所を変えてお役立てください。(こころルーム表参道)

災害にあった大人への助言

【反応/ふるまい・・・その1】

不安と緊張

不安と緊張は、災害に対する一般的な反応です。先のことが心配でたまらい、眠れない、
集中力がなくなる、驚きやすくなる、神経質になる、などの反応がおこります。
また、心拍数の上昇、発汗などもおこります。

(どのように対応するか)
呼吸法、あるいはその他のリラクゼーション法を用いてください。これらを併用してもいいでしょう。

(対応の具体例)
日中に、リラックスする時間をとりましょう。いろいろなリラクゼーション法を試してみてください。
 気持ちが落ち着くと、眠ったり集中したりしやすくなります。気力もでてきます。
次の呼吸法を試してみましょう。 リラクセーションのページをご覧ください



【反応/ふるまい・・・その2】

自分の行動や反応を、思い悩む、恥ずかしく思う

多くの人が、災害に対する強い反応を体験します。恐怖や不安、集中力の低下、自分の反応に
対する恥の感情、罪悪間などが起こります。尋常でない出来事の直後にいろんな気持ちがわい
てくるのは、当たり前のことです。おかしなことではありません。

(どのように対応するか)
話せるときに、家族や信頼のおける友人と、これらの反応について話してみましょう。
これらの反応は、誰にでも起こるものであること、おさまるには時間がかかるものであることを、
 覚えておきましょう。
実際のところ何ができたのか、現実的に考え、自分を責めないようにしましょう。

(対応の具体例)
誰かに話を聞いてもらうときには、時と場所を選びましょう。あなたが感じていることを話していいか、
 相手に尋ねてください。
あなたが感じていることは、こういう場合にはありえることだし、「気が変になって」いるわけではない
 し、あなたは災害に何の責任もありません。そのことを覚えていてください。
これらの反応が一ヶ月以上続くようなら、専門的な援助を受けることを考えましょう。



【反応/ふるまい…その3】

態度、世界観、自己認識の変化

多くの人が、災害のあと、ものごとの捉えかたや姿勢において、大きな変化を体験します。
人に精神のよりどころについて尋ねる、まわりの人や社会への信頼が増す、自分が役立つ人物か
どうか気にかかる、人助けに没頭する、などの変化が起こることがあります。

(どのように対応するか)
さしあたって必要のない大きな生活の変化は、しばらく先送りにしましょう。
災害がもたらした数々の困難に対処することは、勇気や、自分には力があるという感覚を高めて
 くれます。
地域の復興活動に参加しましょう。

(対応の具体例)
落ちついた日常が戻ってくれば、意思決定の能力も戻ってくることを、忘れないでください。
災害の経験が、物事への価値づけや、時間の使い方に良い影響を与えることもあることを、
 忘れないでください。
地域の復興プロジェクトへの参加を考えてみましょう。



【反応/ふるまい…その4】

対人関係の変化

家族や友達に対する気持ちが変わることがあります。たとえば、過保護になる、お互いの安全が
気になる、家族や友人の対応に不満を抱くなどの変化がおこります。
また、家族や友達から距離をおきたいと、感じることもあります。

(どのように対応するか)
家族や友達は、回復期に大きな支えとなってくれる人たちです。
家族一人ひとりが違った道筋で回復していくことを理解し、それに寛容になることが大切です。
あなたが辛いときやストレスを感じているときには、家族の誰かに子育てやその他の日常の
 仕事を、手伝ってもらいましょう。

(対応の具体例)
迷惑をかけたくないからといって、誰かに支えてもらうことを諦めないでください。ほとんどの人が、
 他の人に支えてもらうことによって、回復していきます。
ためらわずに、友人や家族に様子を尋ねてください。単に助言を与えたり、「のりこえさせよう」と
 することよりも、よほど役に立ちます。あなたが理解していること、話を聞いてあげられること、
 手助けができることを、かれらに分かってもらいましょう。
家族や友達と、お互いの状況を伝えあう時間をもちましょう。こんなふうに伝えてみてください。
 「私たち、お互いにとげとげしくなってるけど、それって状況を考えてみれば、自然なことだと思う。
 私たちは、とてもうまくやってきたと思うよ。家族や仲間って、ありがたいものだね」






※随時更新してまいります

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「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き第2版」より抜粋
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リンク先[兵庫県こころのケアセンターさまHP]